行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

冬の音は

こんばんは。

毎日寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

今日は行田のぞみ園はお休みです。お休みの日は、絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いください。

クリスマスも近づき、本を贈る機会も増えてきましたね。12月は、贈り物にぴったりな絵本をご紹介できたらと思います。

 

以前にもご紹介した、石井睦美さん、布川愛子さんのお洋服絵本シリーズ、第3弾です。

ふゆのコートをつくりに[石井睦美]

しんとしずかな朝、さきちゃんは、窓一面に広がる雪景色を見てびっくりします。いつもより早い雪、さきちゃんのコートはまだ用意がありません。

おかあさんとさきちゃんは屋根裏部屋に上り、お母さんの「ふゆのはこ」から赤いコートを見つけます。くるっと回るとお花のような赤いコートは、でもさきちゃんには大きすぎます。おかあさんとさきちゃんは、コートを仕立て直してもらうため、森の仕立て屋さん、ミコさんのお店へ向かいます。

「冬はなにして遊ぶ?」

「冬の音って どんな音?」

 

ミコさんは、森で評判の仕立て屋さん。訪れたお客さんに静かに尋ね、その要望を聞き取って、とびきりの服を作るのです。大好きなお母さんの大好きな赤いコートは、さきちゃんにぴったりになるのでしょうか。

 

一冊目の、うさぎのさきちゃんが再登場です。寒くて真っ白な雪の景色とは対照的に、描かれる室内もミコさんの服も彩り豊か。目に楽しい仕立て屋さんシリーズです。

さきちゃんのおうちの屋根裏部屋の「ふゆのはこ」の中に入っている冬支度の数々にも胸が躍りますが、ボタンやミシン、衣装が飾られたミコさんの仕事部屋も、眺めるととてもわくわくします。今回はすっかり冬支度のお部屋。しゅんしゅん、とストーブの上でやかんが湯気を立てていて、さきちゃんとお母さんを暖かく迎えます。

「たのしいことがいっぱい」のさきちゃんの冬、さきちゃんの冬の音、赤いコートの思い出、色とりどりのボタン。ミコさんはその全てを丁寧に集め、長い冬の夜、ミシンをカタカタ言わせながら、さきちゃんだけの赤いコートを仕立て直していきます。

 

冬の静寂と暖かさ、その先の春の余韻もまとわせた一冊。どんな赤いコートができあがるのかしら、とわくわくする作品です。皆さんの「冬の音」は、それぞれどんな音ですか?