こんばんは。皆様いかがお過ごしでしょうか。台風が間近に迫るとどうしても気持ちがざわざわしたり、不安を覚えてしまう、という方もいらっしゃると思います。できる備えをして、心は穏やかに保てれば一番良いのですが...。どうぞ皆様ご安全に、心穏やかにお過ごしください。
行田のぞみ園は本日までお休みです。お休みの日は、たまに絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いください。
今日は、りすのすりちゃんとセーターのお話。石井睦美さんの、仕立て屋のミコさんのシリーズ、2作目です。
すこしひんやりとした秋の朝。すりちゃんは、お気に入りのセーターを取り出します。ところが、春から秋の間に、すりちゃんのセーターは、すっかりつんつるてんになってしまったのでした。すりちゃんは、さきちゃんと一緒に、仕立て屋のミコさんを訪ねます。
春、秋、と季節ごとに、ミコさんのもとに訪れる女の子たち。前作でミコさんがうさぎのさきちゃんにしたように、ミコさんはゆっくり優しく、すりちゃんに語りかけて寄り添っていきます。
どんなものを大好きなのか、どんな時にその服を着たいのか。
子どもたちの「好き」を形にして、ミコさんはその子だけの、すてきな服を一緒に作り上げていきます。幸せで、うれしい共同作業ですね。
今は、セーターをほどき直して新たに編む、ということはほとんど無くなったのでしょうか。すりちゃんのお気に入りのセーターがどんなふうに生まれ変わるのか、そちらも新鮮な気持ちで読むことができるかもしれません。秋は冬への備えでもありますね。ひんやりと寒くなっていく秋から冬の時期、素敵なポケットをつけたこのセーターが、きっとすりちゃんを守って暖めてくれるのでしょう。
10月には、冬の絵本もシリーズ3作目として出るそうです。そちらもとても楽しみにしています。