行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

てぶくろのなかは

こんばんは。

土曜日午後、日曜日、月曜日は行田のぞみ園はお休みです。また火曜日から、よろしくお願い致します。

 

お休みの日は、たまに絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いください。

 

寒くなってきましたね。手袋や帽子が欠かせない日がやってきます。先日、実は手袋を片方落としてしまいました。片っぽの手袋、と聞くと思い出すのはやはり、この一冊ではないでしょうか。

 

ウクライナの傑作絵本『てぶくろ』です。

 

おじいさんが雪の日に落としたひとつのてぶくろ。するとねずみがかけてきます。「ここでくらすことにするわ」ともぐりこんだねずみを皮切りに、次々と森の動物たちがやってきます。ぴょんぴょんがえる、はやあしうさぎ、おしゃれぎつね...さらにははいいろおおかみまで。そしてそして、もっと大きな大きなあの動物とあの動物まで...?

豊かな色彩の絵本で、冬の森が舞台なのにどこか温もりを感じるのも、印象的な理由でしょうか。

現れる動物たちも、小さなねずみから、少し鋭い眼の狐、大きな牙を持つ狼と、次第に読んでる方も、「大丈夫なの?入れるの?」と少し心配になって、「何か起こってしまうんじゃないか」と、こちらのどきどきした心がそれこそ作中の手袋のように、どんどんどんどん膨らんでいくようです。

手袋の中はいったいどうなってしまうんだろう、というわくわく感と、表情豊かな動物たちの、寄り添う温もりと、どこか漂う緊張感と。なんとなく惹かれて、冬の日にふっと思い出す、寒いけれどとても暖かい絵本です。