行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

なほちゃんの冒険

こんばんは。

とても暑い日が続いています。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

今日は行田のぞみ園はお休みです。お休みの日は、たまに絵本や本の話をしています。お時間のある方はお付き合いください。

 

夏休みに入り、キャンプへ行く方もいらっしゃるでしょうか。夏のキャンプの時期になるといつも思い出すのが、『はじめてのキャンプ』のなほちゃんのことです。

 

なほちゃんは小さな女の子。お隣の家に遊びに行くと、大きな子たちがキャンプに行く話をしています。なほちゃんはキャンプの話を聞いて「わたしも行く!」と言い出しますが、大きな子たちからは次々と「ちっちゃい子はだめ!」と言われてしまいます。

重い荷物を運んだり、薪を探したり、何より暗いところで一人でトイレに行けるのか?そんな大きい子たちの課題に、なほちゃんはあきらめずに「できるよ」と言い、キャンプの参加を許されます。

 

小さな体に荷物をいっぱい背負って、へとへとになりながら薪も一生懸命探して、転んだって泣くのを我慢して、暗いところでも頑張って歩いて...と、とにかくなほちゃんの「はじめてのキャンプ」への意気込みと頑張りが一ページごとにひしひしと伝わってきて、こちらはどうしても応援してしまいます。もちろんそれは、なほちゃんを見守る大人たちも、大きな子たちも同じ思い。なほちゃんが少し遅れたって転んだって、皆、なほちゃんを待って、そっと手助けしてくれています。

 

 

自分だって、お兄ちゃんやお姉ちゃんと同じようにできるんだ!という小さななほちゃんの気概と、それに応える周りのおにいさんおねえさん、おばさんたちの姿がとても愛おしくなります。また、キャンプのちらちらと揺れる薪の火、暗くてわだかまる闇に、山の中の澄んだ空気。そんな、非日常の夏の匂いがひしめく一冊でもあります。

なほちゃんの二日間の冒険の記録は、なほちゃんにとっても、読み手のわたしたちにとっても忘れがたく、お星様のように光っているのかもしれません。夏の一冊に、ぜひどうぞ。