こんにちは。今日は夏空でしたが、台風が近づいてきているとのこと。皆様どうぞご自愛ください。
今日は行田のぞみ園はお休みです。また明日から、よろしくお願い致します。
お休みの日は絵本の紹介などをしておりますので、お時間ある方はお付き合いください。
先日、桃を頂く機会がありました。淡い薄桃の色合いに甘い香りが立ち上り、それはもうとてもおいしい桃でした。食べている時にふと、そういえば桃をとにかく美味しそうに食べる絵本があったなあと思い出したので、今日はその一冊のご紹介。『もものうえのたねまろ』です。
ももこの家のうらには桃畑があり、夏になると「はやく あまくならないかな」と、ももこは畑に通います。ある夏の日の朝、いつものように畑にいったももこは、あまずっぱいもものかおり、かがやくひかりに誘われて、おおきなおおきなももを見つけるのでした。おおきなももには小さな戸、そしてももこの足にぴったりの「ぽっくり」が置いてあります。大きなももの中で上へ上へと運ばれたももこは、よもぎいろのみすの前にずらりと並んだももたちと、奇妙な名前のおじいさんと出会うのでした。
御簾の向こうには、おつきの桃たちと「もものうえのたねまろ」と名乗るおじいさんが座し、ももこを大歓迎してくれます。
苦い苦いお抹茶から始まり、さとうづけのももがし、ももまんじゅう、もものおさしみ、もものてんぷら、もものおすいもの、もものシチューにジュース、ケーキにシャーベット...とにかく、桃、桃、桃!のスペシャルフルコース。このももづくしが、一度で良いから食べてみたいくらい、おいしそうなのです。
描かれる桃の繊細な色合いや「たねまろ」の子供のような無邪気さも相まってか、全編が柔らかい幸福な夢のような印象を覚えます。まるで桃の甘さそのもののような一冊。絶版になっているのが惜しまれます。
桃の季節にはいつも思い出す絵本です。ぜひ、見かけた方はご賞味ください。