こんばんは。
行田のぞみ園は、本日お休みです。お休みの日は、絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いください。
「しーっ」と言われたことがない人、「しーっ」と言ったことがない人はいるでしょうか。
時に小さな子どもたちにとって、大人の「しーっ」は、少しだけ緊張感のあるものになります。
今回ご紹介するのは、そんな緊張を吹き飛ばして、ふんわり心が温まる『しーっ」の絵本です。
うさぎさん、小鳥さん、りすさん、ぶたさん、ぞうさん。それぞれ泥んこ遊びをしていたり、体操や運動をしていたりと、音を立てて楽しく時間を過ごしています。そんな動物さんに、さざなみのように広がっていく「しーっ」の囁き声。あっという間に、みんなどんどん「しーっ」を、繋げていきます。
「しーっ、しずかにしてくださーい」という声のあと、広がる静寂の中、動物たちは相手にそっと耳打ちしていきます。「なぜかっていうとね...」
理由は最後の最後で明かされるのですが、こんなに優しい「しーっ」の時間は、他にないのではないでしょうか。
この「しーっ、しずかにしてくださーい」「なぜかっていうとね...」の繰り返しが、読み聞かせを受ける子どもたちは大好き。自分でも口真似をして「しーっ」の世界を楽しんでくれるのでは、と思います。ぴりぴりする静寂ではなく、どこか甘くてそわそわする静寂の世界が広がる、優しい優しい一冊です。