こんばんは。
まだまだ暑い日が続きますが、風にふと秋の気配を感じます。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
行田のぞみ園は本日お休みです。お休みの日は、たまに絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いください。
『あそぼうよ』は、まさに文字通り、「あそぼうよ」「あそばない」の二語だけで、ほぼほぼ構成されている、シンプルな絵本です。
どこかとぼけた味わいのきりんさんと鳥さんの造形も見事ですし、何よりも、こんなに声に出して読みたくなる絵本もないのではないでしょうか。「あそぼうよ」とせっつく鳥さんに、どこか泰然自若と「あそばない」とこたえるきりんさん。
子供たちも大人も、きっとページをめくるにつれて、「ああそういうことか」と察して笑ってしまうかもしれません。言葉とは裏腹に、何よりも絵が二人の関係を語っている...そう、まさにこれは絵本なのだなあ、シンプルでしかし奥が深い!と五味太郎さんの手のひらで楽しく踊らされているような心持ちになります。
「あそぼうよ」「あそばない」繰り返されるこの二語を、どんな響きで読んでいったらいいのかなと、読み手の「遊び心」までくすぐられてしまう、とても心憎い一冊でもあります。
読み手によっては、とんでもなく強気な鳥さんだったり、ちょっと意地悪なきりんさんだったり、とぼけていたり、優しかったりするのかもしれません。
一羽と一頭の攻防戦をどう読むのか、まさにこの絵本で「あそぼうよ」と、読み手も声をかけられているのかもしれませんね。