こんばんは。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
行田のぞみ園は本日お休みです。お休みの日は絵本の話などをしています。
お時間のある方はお付き合いください。
さて、先週は十五夜。まんまるで、とても綺麗な月でしたね。お団子を食べながら月見をされた方も多かったと思います。私も白玉団子を丸めながらなんとなく思い出したのが、この『１４ひきのおつきみ』です。
ねずみの大家族が住む、大きなクヌギの木の上でみんなが一生懸命作るのは、月見台。そう、今日は十五夜、満月の日です。お団子を作って、木の実をお供えして、さあ準備万端。楽しいおつきみのはじまりです。
たったひと夜のための月見台。なんて風流なことでしょうか。今作は、昼から月の出る夜までの、時間のあわいがとりわけ美しい作品です。日の移り変わり、光のうつろいを森の姿とともに感じ、最後は月の光に照らされて終わるという、とても静謐な印象のある一作となっています。秋の澄んだ光と空気、少し寂しさが濃くなっていく夜に、ぜひお読みください。
１４ひきのシリーズは、優しい語りかけ、そして何と言っても、ねずみたちの住む森の美しさがとても印象的です。ねずみたちだけでなく、森にいる虫たちや鳥たちなど、描かれる生き物もとても精緻で、生き生きとしています。いわむらかずおさんの自然への敬意がほとばしっているようにも感じます。
