行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

マイスターホラのチョコレート

こんにちは。

もう1月が終わってしまいましたね。皆さんはいかがお過ごしですか?

 

2月に入ったので、チョコレートを溶かし始めました。

作業室いっぱいにカカオの香りが漂ってきて、チョコの香りに酔っ払ってしまいそうです。おそらく明日から販売開始できるかと思いますので、楽しみにお待ちください。

 

月曜日は行田のぞみ園はお休みなので、何となく絵本や本の紹介をしております。おひまな方はお付き合いくださったら嬉しいです。

今日はチョコレートで思い出してしまった本を一冊。

 

ミヒャエル・エンデの『モモ』です。

モモ

とても有名な本なのであらすじは割愛しますが、この本に出てくるチョコレートがとても印象深いのです。

 

人々の時間を盗む灰色の男たちの追跡を逃れ、不思議な亀に導かれて時間の国にたどり着いたモモ。そこで出会ったマイスターホラは、疲れ切ったモモを朝食に誘います。テーブルに乗るのはパリパリに焼けた香ばしい巻きパン、金色のバターにはちみつ、そして金の「ずんぐりしたポット」に入った飲めるチョコレート。今読んでも、なんて美味しそうなんだろう、とわくわくしてしまいます。

 

 

ミヒャエル・エンデは、どの作品でも「食べる」ということを大事にしているのか、魅力的な食事シーンが多く、お腹が空いてしまいます。

 

パンもはちみつもチョコレートも、キラキラと輝いて、空腹のモモを満たしてくれます。「一日中食べ続けていられそうな」ほどのおいしさを持つ、金色の夢の朝ごはん。一度でいいから食べてみたいと、当時も今も思っています。

灰色の男たちによって変えられた世界を取り戻す力は、この食卓から培われたのかもしれませんね。

 

作品の後半で、この朝食の豊かな時間と対比するように、モモの友人ニノのレストランで、モモが急き立てられ、機械的に食べ物を取り、押し込むというシーンがありますが、こちらもとても印象的です。豊かさとは何か。今エンデが生きて世界を見ていたら、何を書いていただろうと、ふと思ってしまいます。