行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

夢のエクレール

こんばんは。

今週も寒い日が続きそうですね。皆様、暖かくしてお過ごしください。

毎日いろいろなことが起こりますね。特に今日、1月17日は、「普通」の日々を送ることができるということ、そのものが奇跡なのだと改めて思わされます。

 

お休みの日は絵本などの紹介をしています。お時間のある方はお付き合いください。

 

さて、1月も半ばを過ぎ、甘い甘いチョコレートの季節が近づいてきていますね。この時期になると、ふっと思い出す一冊が大石真さんの『チョコレート戦争』です。

新・名作の愛蔵版 チョコレート戦争

 

町一番の洋菓子屋として名高い「金泉堂」。お菓子は全て天下一品。もちろん、この本に出てくる子供たちも、金泉堂のケーキ、シュークリーム、エクレール(エクレア)に夢中です。

しかし...ある日、金泉堂のショーウィンドーが突然割れ、ちょうどそこにいた明と光一、2人の男の子があれよあれよと犯人にされてしまいます。

自分たちではないという主張を全く聞き入れずに、犯人扱いをする金泉堂、そして周りの大人たち。子供たちは怒りに燃え、自らの潔白と誇りのために、町一番のお菓子屋さんに戦いを挑むのです。

 

初版は1965年ですが、真っ直ぐに大人の理不尽さと戦う子供たちの勇姿は、いつの時代も色褪せず、鮮烈な印象を残します。大人になって読むと、大人たちの気持ちも良くわかってしまうものですが、何よりこの本の良いところは、大人が最後にはきちんと子供たちの誇りに応え、落とし前をつけてくれるところです。ぜひぜひ、戦いの結末をお読みください。

そしてそして、この本の名作たるゆえんは、やはり金泉堂のお菓子の美味しそうなこと!だと思います。とりわけエクレール(エクレア)の描写は特筆もの。私がこれを読んだのは小学生はじめごろですが、いまだに、クリームがじゅわりととろける金泉堂のエクレールを忘れることはできていません。いつか食べてみたい、夢のお菓子の一つです。本の中だけでも、ぜひご賞味ください。