こんにちは。
今日は行田のぞみ園はお休みです。また明日からよろしくお願い致します。
お休みの日は、絵本などをご紹介しています。
先週は雨が続きましたね。雨の日は少し気が沈みがちになってしまいますが、今日の絵本の主人公も、雨の日が苦手な女性です。
今日ご紹介するのは『ばらいろのかさ』です。
海辺の村の小さなカフェは、その名も「みずたまエプロン」。
カフェの店主であるアデルは、水玉のエプロンをしめ、花を飾ってお客様を出迎えます。お店はいつもたくさんの人で賑わいます。
アデルは、大好きなものがたくさんある、朗らかで素敵な女性です。
お日様の光、村の人びと、きれいなお花、人と話すこと。でも、一つだけ苦手なものがありました。それは、灰色の雨の日です。雨の日はいつも気が沈み、アデルはベッドに籠ってしまいます。そんな中、店を閉める時間、アデルは持ち主のわからない「ばらいろの」落し物を見つけます。
少しずつアデルの手元に増えていく「落し物」は、灰色の雨の日にもふんわりと色づき、まるでアデルを守ってくれているようにも見えます。雨の日が嫌いだったアデルは、この先はきっと、雨を少しだけ心待ちにするのではないでしょうか。
人を思う気持ちで、世界は薔薇色に色づくのかもしれません。「お幸せに」と微笑んでしまうような、なんとも幸せの余韻漂う一冊。
にじむような色合いも美しく、装丁の可愛らしさも特筆もの。ぜひ、お手にとって見てみてほしいなあと思います。本棚に飾りたくなる絵本でもあります。
