行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

女王陛下のワードローブ

こんばんは。

今日は行田のぞみ園はお休みです。お休みの日は、たまに絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いくだされば嬉しいです。

 

今日は豪華絢爛、目にも楽しい一冊『女王さまのワードローブ』をご紹介します。

大判でスタイリッシュ、美しいイラストで彩られた一冊ですので、春の贈り物などにも最適かもしれません。

エリザベス2世の衣装ダンスの世界をちょっと覗き見させてもらえる、とても美しい本です。女王陛下が愛したコーギーたちが彩る表紙もとってもキュート。赤ちゃんの頃の、真っ白なレースのベビードレス、ガールスカウトの服、そして大戦時に軍に所属したときの整備士の制服、戴冠式の輝かんばかりの衣装の数々...嬉しいのは、衣装だけでなく付属のアクセサリーなどにも描写が割かれているところ。色とりどりの衣装と装飾品が、激動の時代を駆け抜けた女王陛下の歴史と一緒に紹介されていきます。

女王さまのワードローブ  改訂版  イギリス国民に愛された女王エリザベス2世の物語

 

エリザベス女王は、本来は女王としての未来を持っていたわけではありませんでした。女王陛下の話になると、やはりその父であるジョージ6世を思い出してしまうのですが、ジョージ6世もまた、周囲の様々な流れ、大きな軋轢をもたらした「世紀の恋」によって、多大なプレッシャーを受けながら王位を継がざるを得なかった人です。

 

ジョージ6世については、映画『英国王のスピーチ』で広く知られるところとなりますが、映画の「その後」を描いた一冊『英国王のスピーチー王室を救った男の記録』も、二人の男性の堅い友情、忠誠を、書簡によって描き出したとても良いドキュメンタリー、おすすめの一冊です。

英国王のスピーチ―王室を救った男の記録

 

第二次大戦期の英国は、その時代にあって最良の指導者と君主の2人を得た幸運な国であったと勝手に思っていますが、困難な時代にジョージ6世が最大限に国民に寄り添うことができたのは、自身もまた、吃音という苦しみを知り、克服したという経験があったからこそでしょうか。その父の姿をじっと見つめてきたエリザベス女王もまた、豪華絢爛な王冠と衣装の下にある君主としての責任、重圧を、だれよりも知ってきた方でしょう。きらきらしい世界の下の、覚悟を知る2冊でもあります。