こんにちは。
今日は青空が見えましたね。朝は、鴨が気持ちよさそうに川を泳いでいました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
行田のぞみ園は、本日お休みです。明日からまたよろしくお願い致します。
さて、行田のぞみ園の主力商品であるパウンドケーキ、語源は英語の1ポンドからきていると言われています。卵、砂糖、小麦粉、バターがちょうど1ポンドずつ、ぴったり同じ量で作れることから来るのだとか...フランス語では「カトルカール」、4分の4、という意味だそうです。言語が違うと重さの単位、通貨の単位もそれぞれ違って面白いですよね。
もう遠い昔、学生時代に翻訳家の先生の授業を受けた際、僕は翻訳する時、出て来る通貨単位をみんな円で表記したいんだけど、どう思う?と生徒に投げかけた時がありました。生徒たちの意見は色々ながら若干反対派が多く、先生が少し残念そうになさっていた記憶があります。
フランスはフラン、ドイツはマルク、イギリスはポンド、シリング、ロシアはルーブル、アメリカはドル...。デュマやディケンズ、トルストイなどなど、小さなころに読んだお話から未知の通貨、単位に触れるのが好きだったので、円表記にはその時も今も反対派なのですが、皆さんはいかがですか?
今はヨーロッパ圏も通貨の単位はユーロが多くて、便利だけれど少しだけ寂しい、という気持ちがあります。年月が経つにつれ、もしかしたらどの通貨も、幻の通貨になっていくのかもしれませんね。
毎週クリスマスも近くなっていきますので、絵本ではないのですがクリスマス・ストーリーを一冊。とにかくお金のことなら1シリングまでこだわりまくる、孤独なおじいさんのお話をご紹介します。
チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」です。ケチで貪欲、雇い人の給料も極限まで出し渋り、自分が嫌いな分だけ周りの人からも嫌われる孤独なスクルージ。彼の元にクリスマス・イブの夜、亡くなった共同経営者、マーレイの幽霊が訪れるところから物語は始まります。お祝い事が大嫌い、人のためにお金は一銭だって出したくない、そんなスクルージが辿る短い旅と軌跡を、ぜひぜひお楽しみください。
厳しさと怖さ、不思議なおかしさが同居しつつ、ジェットコースターのように展開される物語はさすがディケンズ、というところでしょうか。クリスマスは、絶対に変わりようのないものでも、変わることができる不思議な日。奇跡が起こるとしたら、クリスマス以外にはありえないのかもしれません。読み終わったら思わず「メリークリスマス!」と言いたくなってしまう作品です。
余談ですが、この「クリスマス・キャロル」、最近では勝田文さんの手により漫画化されています。以下の「小僧の寿し」という短編集にコミカライズ作品が収録されていますので、もし文字が苦手、というかたは漫画でお楽しみください。勝田さんは、ウッドハウス作品や「あしながおじさん 」のコミカライズでも知られており、作者の世界観を綿密に再現する中で、オリジナリティも忘れずに味付けをされる、とても魅力的な作家さんです。なによりどの作品も、原作への愛に溢れているので、未読の方はぜひ。
「小僧の寿し」は特に、オリジナル短編、コミカライズ作品が両方収録され、勝田さんの世界観を満喫できる傑作短編集です。ご興味のある方はお試しください♪
長くなってしまいました。おつきあいありがとうございます。
明日からまた、よろしくお願い致します。