行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

ぼくのあなだ

こんばんは。

行田のぞみ園は、月曜日はお休みです。お休みの日は、たまに絵本や本の話などをしています。お時間のある方はお付き合いください。

 

今日は、和田誠さん、谷川俊太郎さんという異色タッグの絵本『あな』です。

表紙だけでもぱっと目を引く絵本です。作りも縦型になっているので、より穴の深さが強調される、面白い作りですね。

日曜日の朝、何もすることがないひろしが、あなを掘りはじめます。おとうさんもおかあさんもいもうともともだちも、あなを掘るひろしに、上からいろんなことを言います。でもひろしはただ、なんにも構わずにあなを掘り続けるのです。「これは ぼくの あなだ」と、誰に言われるでなく自分で思う時まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この一冊に関しては、何も解説を付け加えるべきではないのかもしれない、とも思います。当たり前ですが、絵本とは、子供の時に読んで、なんだか訳がわからないけどくすりと笑ったり、楽しかったり、夢中になったら、それで良し、なのではないでしょうか。

大人になってから読むと、どうしても深読みしたり、意味を見出そうとしたりしてしまい、そんな自分にちょっと失望してしまったりします。意味なんてないし、目的もないし、なんの役に立つわけでもないけど、あなを掘り続ける。そう、本当にただ『あな』の絵本なのです。ぽっかりとまんまるに開いた空の青が、鮮やかです。