行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

お湯につかれば

こんばんは。次第に寒さが増してくる一週間でした。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今日は行田のぞみ園はお休みです。お休みの日は絵本などのご紹介をしています。お時間のある方はおつきあいください。

 

寒い日が多くなってきて、暖かいお風呂が恋しい季節になってきました。

小さな頃、祖父母の街に行った時、地元の人しか入らない小さな銭湯によく行っていました。そこは坂の多い温泉町で、源泉に近いお湯は文字通り飛び上がる熱さ。子供には少し辛く、入るときにはお水を入れさせてもらうのですが、もちろん地元のおばさま方は、熱いままでお湯を使いたかったのでしょう。なんてことをしてくれるんだ、といつもぎろりと睨まれていたような気がします。熱さと申し訳なさでなんだか小さくなりながら入っていた思い出があります。皆さんにも、いろいろなお風呂の思い出があるのではないかと思います。

 

今日は、小さな蒸気機関車が出会ったお風呂の絵本をご紹介します。

 

帰り道に迷い、暗い森をさまよう蒸気機関車のごうた。まだまだ新米の機関車です。暗闇と寒さと心細さの中で、ふとごうたを導くように、煙が流れてきます。煙の先、大きな煙突を持つ建物がごうたを待っていました。そこは「きしゃのゆ」という、機関車たちのための銭湯だったのです。

 

 

冷たい風と先のわからない暗い道のりほど、落ち込んで力を削いでしまうものはありません。そんな1日の終わりに、熱いお湯につかって疲れを癒せたら、これほど嬉しいこともないのではないでしょうか。機関車がお風呂に?という意表を突く展開がとても嬉しい一冊。疲れ果てたごうたを優しく導く諸先輩方、もうもうと湯気のたつお風呂の暖かさがごうたを優しく包み、ほぐしていきます。

風呂上がりに機関車たちが飲むのは、牛乳ではなくオイルミルクというところも心憎いですね。暗く冷たい夜が一転して、暖かな湯気の滲む夜になる一冊。寒い日の夜長に、ぜひお楽しみください。