行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

いやだいやだの

こんばんは。

ぐっと冷え込むようになってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

今日は行田のぞみ園はお休みです。明日からまたよろしくお願い致します。

お休みの日は絵本など紹介しています。お時間ある方はお付き合いください。

 

皆さんも小さな頃、「引っ込みがつかなくなった」経験をされているのではないでしょうか。

今日ご紹介するのは、すねすぎて引っ込みがつかなくなった男の子、スピンキーの絵本『いやだいやだのスピンキー』です。

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家族の誰も自分の気持ちを理解してくれない。そんな思いに駆られた少年スピンキーは、庭のハンモックに陣取り、頑としてハンモックから動きません。謝っても、キスをしても、なだめても、プレゼントを送っても、雨が降っても、スピンキーは動きません。

 

 

 

ウィリアム・スタイグは、以前『ゆうかんなアイリーン』をご紹介しましたが、こちらもとてもおすすめ。今回の主人公であるスピンキーは、アイリーンとは全く違うキャラクターですが、より等身大といったらいいのでしょうか。初めから盛大に怒り、むくれ、すねています。

怒りつつも、そっと家族や友達の様子を伺っているスピンキー。「こんなことやったなあ」と、つい苦笑してしまいそうになります。

周囲の宥めすかしにも、懐柔作戦にもなびこうとしないスピンキー。あまりの強情っぷりに、読んでいると勝手にハラハラしてしまいます。意地を張っているうちに落とし所を見失ってしまい、かえって謝りづらくなる様子は、読み手も我が身につまされるのではないでしょうか。頑固一徹、絶対に自分を曲げないスピンキーもあっぱれですが、年を経た今読むと、とにかく家族や友達の懐の広さに拍手したくなります。

さあ、スピンキーは果たして、ハンモックから降りることができるのでしょうか?「いやだいやだ」の結末はぜひ、読んで確かめてみてください。