行田のぞみ園ブログ

特定非営利活動法人行田のぞみ園のブログです。

8月9日

こんにちは。今日も暑い1日でしたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は行田のぞみ園はお休みです。お休みの日は、絵本のご紹介などをしていますので、お時間のある方はお付き合いください。

 

皆さんは、路面電車に乗ったことはありますか?生活圏内にある、という方もいらっしゃると思います。私が路面電車に初めて乗ったのは、おそらく高校生の頃、修学旅行で行った広島だったと思います。電車なのにそのまま街中にいる不思議、滑り出すような走り方、物慣れないこと全てに高揚感があって、友人とはしゃいで乗っていたのを思い出します。

 

『チンチンでんしゃのはしるまち』を、今日はご紹介します。路面電車を「チンチンでんしゃ」と呼ぶのは、運転席のベルの音が由来とのこと。

絵本の舞台は長崎の街で、路面電車がこの街に敷かれたのは、1915年からだそうです。実に100年以上、「チンチンでんしゃ」はこの街で走り続けていることになります。

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電車の絵本といえば横溝さん、電車だけでなく、その走る街、人を全て大切に描かれていらっしゃいます。神は細部に宿る、という言葉を思い出しますが、乗り物好きの子供たちの心を掴むのは、この徹底的に描き込まれたディティールなのでしょう。

 

早朝からの点検にはじまる、チンチン電車の1日。なんでもない街と電車の時間が、丁寧に、淡々と描かれていきます。8月9日という日に読むと、とりわけ、本に描かれる「普通」の1日の尊さ、得難さを思います。