こんばんは。
今日は蒸し暑い1日でしたね。皆様いかがお過ごしでしたか?
行田のぞみ園は本日お休みです。また明日からよろしくお願い致します。
梅雨入り宣言の前で気が早いかもしれませんが、田んぼに水が入り、少しずつ夏の気配を感じています。
蒸し暑い夜、少しひんやりしたい方にはオススメの絵本。
あ、知ってる!覚えてる!という方も多いのではないでしょうか。
私も小さな頃にこの一冊を読んで以来、ずっとこの表題が頭の片隅に残っていて、たまに「めっきらもっきらどおんどん」とつぶやきたくなります。
遊び友達が見つからず、かんたは古いお宮で退屈に任せ、「めっきらもっきらどおんどん」で終わるでたらめな歌を歌います。すると、大きな根の下からかんたの歌声に応えるように風が吹き、奇妙な声がかんたを穴の中に誘いこみます。
見たこともない夜の世界、丸太に乗って現れた異形の3人組は「もんもんびゃっこ」「しっかかもっかか」「おたからまんちん」と名乗ります。3人は遊び相手が現れたことに大喜び、かんたと全力で遊ぶのですが...?
当時から、「怖い怖い」と思いながらもまた読んでしまう一冊でした。
ありえない高さの縄跳び、海が見える水晶玉、色とりどりの不思議なおもち、空飛ぶ丸太と、3人とかんたの遊びは奇想天外でとにかく楽しそう。でも同時に、その奇抜さがとても怖かったのも覚えています。おそらく3人の背後にある異界の得体の知れなさ、闇の濃さを感じるのでしょう。かんたがあのまま帰らなかったらどうなっていたんだろう、と当時も今も考えると、ぞくりと背筋が泡立つ気持ちになります。
でたらめだけどなんとなく自分も歌いたくなってしまう歌、奇天烈だけど忘れがたい3人の名前など、この本の魅力はその言葉遣いです。抑揚や跳ね方が不思議な響きでどこか心地よく、かんたの迷い込んだ、この奇妙な夜の世界を形作る手助けをしています。
3人は今でもずっと、「ここではない」あっちの世界で、小さな遊び相手を今か今かと待っているのでしょうか。次に迷い込むのは、あなたかもしれません。